振り返って見ればその年の街中の話題がそのまま談話室SASのテーマになっている回もあり、興味深い。
私のシュタムティッシュとの出会いは40数年前、スイスの田舎の小さなレストランだった。
隅っこの小さなテーブル上にStammtischの札が置いてあった。当時ドイツ語入門者だった私は、stammmは幹、tischは机、
これは何か由緒ある幹で作られたテーブルである、と勝手に理解して、その貴重品らしき木のテーブルを何度も眺めた。
それから間もない頃、スイス人の知人夫婦の家に10日ほど滞在した。ご主人が毎日夕食後に外出するのを不思議に思い、
どこにお出かけ?と尋ねてみると、レストランに行くと言う。村の唯一のレストランで飲みながら、
奥様いわく「情報収集の集まりに参加する」であった。
奥様は笑いながら付け加えた。「シズコ、わかる?我が家に日本女性が泊っているって、村中に知れ渡っているのよ」
その後ドイツでは、我が夫がシュタムティッシュに出かけるようになった。
情報収集に興味のない夫は机を囲んでもっぱらSKAT(ドイツのトランプ遊び)を楽しんでいた。
湘南日独協会の「談話室SAS」も2時間後には皆で居酒屋に向かいます。
それからが飲みながらの「シュタムティッシュ」となり、ドイツやスイスのStammtischにより近くなります。
しかし既成のシュタムティッシュにこだわることはありません。
湘南日独協会独自の発想でどの方向に進んでも自由とし、今後長く続いていくように願っています。
「談話室SAS」は入口を広く開けて皆さまの気楽なご参加をお待ちしています。
談話室SASとは?
吉村 邦博
Schwätzerei(おしゃべり) Am(で) Stammtisch(常連客の席)、ドイツで広く知れ渡っている文化。親睦を深める会。自由なトークと情報交換の場。
実際?
令和2年最初の談話会は、本を読む楽しみ。
ダイヤモンド著の銃・病原菌・鉄、石川九楊の自伝図録の書及び漢字の大切さ、
カナダの日系2世のジョイオガワの波乱の人生、
AI研究者による女性脳と男性脳の違い、今までの人生で知らなかったことばかり。
単なる知識ではなく実際に遭遇し対応が求められるスキルや思想に触れる良い機会。
第二回は、詩や小説を声を出して読む楽しみ(朗読)。落語や講談は聞いて楽しむもの。声を出して詩や小説を朗読するとより楽しい。
好みの曲を感情を込めて歌うカラオケの如く。ハイネの詩ローレライを朗読。ドイツ語と日本語での朗読はSASで初めての試み。
昨年は、新元号、原子力安全神話、日独のことわざ、舞姫・森鴎外・ナウマン象、
ドイツにおける破壊的創造、食材は同じでも異なる料理、手書きドイツ文字、バイロイト祝祭音楽祭 等。
これからも生活や人生の楽しみに直結するトークで参加しやすい場にしたいと思います。
参加方法?
会報に開催日を掲載。e-mail addressを示され今まで参加され方へ一週間前にe-mailで連絡。
8月と12月は休み、月1回午後3時から5時まで
ミナパークの会議室(12名まで)
5時から居酒屋、ドイツ人との会話も可能
参加費は1000円、資料作成費は自己申告精算、聞くだけの参加も可能。
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SASの部屋
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