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♪♪ SWZ 歌で楽しむドイツ語 100曲達成

SWZお世話係り 木原健次郎


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6月のSWZ

2012年9月にスタートした「歌で楽しむドイツ語」 (Singen wir zusammen! 略称SWZ )も、お陰様で、先月6月で30回と回を重ね、扱った曲数も累計100曲を超えました。楽しみに参加して頂いているメンバ−の方や、ガルデ先生、ご支援頂いている関係者の方々に、改めて御礼申し上げます。 そもそも湘南日独協会には、立派なコーラスグループ 「Amsel」があるのに、何故同じようなドイツ語の歌の会が必要なのか、という疑問をお持ちの方も多いと思いますが、SWZは、単純に、「ドイツのあの美しいVolksliedをドイツ語で歌ってみたい、興味はあるがドイツ語や楽譜は自信がない」といった方々を対象にした集まりで、(私自身もその典型です)特にコーラスを目的にしたものでもありません。お風呂で一人良い気分で歌っている人(因みにドイツ語では茶化してBadewanne Carusoというそうですが)といったイメージでしょうか。 取り上げる曲の範囲は特に厳密ではなく、Volksliedとして昔から伝わっている曲から、映画のなかで歌われ有名になった曲、戦後ヒットした曲(Schlager)など多岐にわた りますが、いずれもドイツの民衆の「心」が良く感じられる曲ばかりです。(詳しくはHP上のSWZ実績表を参照) どなたでも、ふとした時、口をついて出てくるMelodyがあるのではないでしょうか。それこそ貴方の心の琴線に触れた曲と言えるでしょうそれが偶々ドイツの曲であれば、歌 詞まで覚えて、完全に自分の曲にしてしまうべきです。ドイツの曲はドイツ語で歌って初めてその曲の心情に迫る事が出来ると思います。(何語の曲でも同じですが)。口で言 うほど簡単ではない? でもそれは貴方の気持ち次第です。それができれば、本当に楽しいですよ。1曲でもそうしたご自分の持ち歌を造って下さい。SWZはそのお手伝い を致します。楽しみながら、難しいと思った事に挑戦する、これこそ最善のボケ防止法です(失礼!)さあ、次回は思い切って参加してみましょう(申し込みは同封葉書で)。 なお、SWZ愛唱歌集(歌詞のみ)を作成しています。 ご希望の方には1部500円でお求めいただけます。





5月例会
講演会 原発と海 川崎健先生


会員 小田 武司


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川崎 健 先生



福島での東日本大震災による原発事故の後、エネルギー政策をどのようにするかが大きな課題になっている。日本政府が原発再稼働によって2030年で約20-22%の電力を原発によって賄う方向を示しているが、今回の川崎先生の講演は詳細なデータに基づき、原発を稼働させることによって起こる諸々の課題について、詳しく説明された非常に貴重なものであった。
まず、ドイツのメルケル首相の政治決断が報告された。メルケル首相自身はこれまで核の平和利用を賛成されていたそうだが、福島の原発事故を契機に考えを変えられた。高度に技術の発達している日本で起こった福島原発事故によって、原発には予測不能なリスクが存在することがわかったからだと言われている。ドイツは2022年12月31日までに最後の原発は停止することが決定されている。これはメルケル首相の政治的な決断であった。

ドイツのエネルギー転換スケジュール
1. 2020年までにすべての原発の閉鎖
2. 化石燃料の削減と再生利用エネルギーの拡大
3. 移行期に天然ガス使用
4. 配電・送電ネットの刷新
5. 使用済核燃料の恒久的処分

将来の課題
6. 4つの電力会社の改革
7. 100%再生可能エネルギー・システムへの転換
8. エネルギー供給分散化対応インフラ整備
9. 新しい制御と送電システムの構築
10. 原子力発電システムと化石燃料発電システムが残した「遺産」と危険物の解決策を見つけること

 ドイツでは20年以上前から自然エネルギーの開発を進めて来ており、上記2および7を裏付けている。最大の難事業は5と10であり、原発の早期停止が必要である。
これに対して日本はなお原発に固執しており、政府は2030年の電源構成で、原発依存度は20−22%、再生エネルギーは22−24%、そして温室効果ガスの削減目標は25%との方向である。

原子力発電の歴史
1938年にドイツでウラニウムの核分列反応が発見され、ウラン235に中性子を衝突させて分裂させることに成功した。1939年にアメリカの核物理学者エンリコ・フェルミがウランの核分裂を爆弾や動力に使用する可能性に言及した。アメリカ海軍は、潜水艦の長期潜航のために海軍研究試験所で原子力研究を開始し、1942年には熱拡散法の技術が完成した。これが核分裂エネルギー利用のはじまりである。一方でアメリカ陸軍主導にて原爆製造計画がスタートし、1945年7月16日に世界初の核爆発実験が行われ、続いて8月6日と9日に広島と長崎に原爆が投下された。海軍の最初の原子力潜水艦は1954年に完成した。この原子炉はSTR(Submarine Thermal Reactor)と呼ばれているが、ここから発展したのが加圧水型原子炉PWRで、原発に使用されている。川崎先生は、原子力の利用はそもそも軍事目的で進められており、ここに今日の原発問題の根源があると主張されている。平和利用のための研究から始まっていたとすれば、廃棄物処理や安全性の研究が先行し、原子力技術は違った方向に進んだであろう、と説明された。世界で最初の原発は、ソ連のオブニンスク原発で1954年に運転を開始した。アメリカではシッピングボート発電所の原発が1957年に運転を開始した。
2011年3月11日に東電福島第一原発が地震津波により大事故を起こした。2015年4月24日に日本学術会議は、「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言」を行った。“原子力発電による高レベル放射性廃棄物の産出という不可逆的な行為を選択した現世代の将来世代に対する世代責任を真摯に反省すべきである。”原子力発電の最大の問題点は、高レベルの放射性廃棄物の処理処分が困難なことである。
この廃棄物をどのようにして人間社会から隔離するのか。“フィンランドとスウェーデンでは、国民的合意を得て、最終処分に向けた活動が進められている。スイスでは、2015年2月に地層処分候補地2カ所が決定され、調査が開始された。フランスでは公開討論会を経て、地層処分の2025年の運転開始を目指した手続きが進行中である。カナダでは、深地層処分政策が確認されており、長期保存サイトとして、4か所の予備調査が終了している。ドイツでは、核のごみの処分計画について再評価を実施中であるが、その作業は迅速に進められている。
日本は地震大国であり、火山列島であり、隆起および断層運動など地質学的に大きな不安定性を持つ国である。自国で発生させた核のごみは原則自国で保管・処分すべきと国際条約で制約されている。(学術会議提言)“

 また汚染水対策が大きな課題である。海岸に立地している福島原発では、冷却水と地下水が汚染水として増大し続けている。これらの汚染水の浄化をセシウム除去装置などで実施中であるが、トリチウムは除去できない。汚染水対策は進められているが、なお多くの課題をかかえており、汚染水を海洋放出することなく安全に貯蔵することが、必須の課題である。
今回川崎先生のお話を拝聴して、原発事故による被害が超長期的に甚大なものであることが改めて強く認識させられた。しかしながら、現在においてもなお原発を再稼働することに性急な電力会社が多く、しかも政府もそれを後押ししているように思われるが、果たして危機管理体制が十分に考慮されて、整えられるようになっているのであろうか。残念ながら私たちがマスコミなどを通じて入手する情報は、表面的であったり抽象的なものであったりして、それに対する回答をまったく得ることが出来ないのが現状だと思う。
本来、しっかりした危機管理体制の下に、可能な技術を充分に採用して安全性を確実に維持し、その上で原子力を人類のために活用していたのであれば、事情は大きく違っていたのではないだろうか。政治や経済が、技術に対してより真摯に向き合い、技術をもっと重視して活用していけるような世の中を実現することは、夢のまた夢なのだろうか。



6月例会
「講演とビールと音楽と」に参加して


会員  野秋 知江


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左が野秋さん右は増田さん

 6月の定例会は、いつもの江ノ電ビルを離れ、音楽酒場BOTCHY BOTCHYで行われました。会場に入ると、たくさんの楽器と古い玩具で落ち着いた雰囲気の中、これから楽しい催し物が繰り広げられる予感がしました。テーブルの上には、既にビールグラスが置いてあり、それを見た方が「もうビール飲めるの?」と言われましたが、飲む前に、より一層、ビールを美味しく頂く為の、有難いお話があるのです。

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友田社長

 講演はイエナ社の友田社長のお話。
ビールの種類、材料、製法、注ぎ方など…来られなかった方の為に申し上げますが、「缶ビールはグラスに注いで、お飲み下さい」とのことです。

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演奏に活躍頂いた左ガルデさん右は鬼久保さん

 1時間程の講演後、いよいよ乾杯~! 
お話で伺った通りに注ぎ、「乾杯〜!」
う、う、美味い?!体じゅうの細胞に浸み渡る? 白ソーセージやジャガイモ、酢漬け野菜など、お料理もドイツそのもの。飲めや歌えね大騒ぎ…とまでは、いかないものの、かなりの盛況でした。
なかでも、ガルデ先生のギターと歌は絶品で、参加冥利に尽きるというもの? ありがとうございました。
ドイツでは、歌手でした?

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 2杯目、3杯目のビールも飲み干し、更におかわりする人も←それは、この私?こんな具合で、アッと言う間にお開きの時刻を迎え、名残惜しく開散となりました。
Juni Fest in Chigasaki! …また、来年?


 





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