海上自衛隊護衛艦はたかぜ見学会
会員 藤野 満
護衛艦へのタラップを上る藤野氏
1月24日(日)12時に横須賀駅集合で、32名の会員が参加し、この冬1番の寒風吹くなか、自衛艦「はたかぜ」を見学しました。
日独協会の勝亦さんが窓口となり同じ湘南日独協会会員でもある護衛艦の花形職場の射撃担当の秋山友一一等海曹のお世話で実現したものです。
秋山さん、たっての願いとのことで秋山さんと同郷の相樂友和二等海曹も休みを返上して我々多数の見学者のお世話をして頂きました。
秋山さんは「秋山真之とのご親戚ですか」との度々の質問を受けたとかで閉口されておられましたが、制服姿はまさに「戦艦三笠」に乗艦し
日本の危機を救った明治の軍人を思い出さすものでした。
「はたかぜ」は戦時太平洋艦隊で活躍した「旗風」を初代として昭和61年(1986年)完工した3代目の「はたかぜ」。
4600トンの護衛艦で23cm口径の大砲を前後に2門、SM?1という開発初期型のミサイル発射装置1基、
3連魚雷発射管2基、ASROC対潜ミサイル(米国製)1基に30ノットの速力を出すロールスロイス製の
ガスタービン4基計7.2万馬力を搭載しており、そのひとつひとつを詳細な説明つきで見学させていただきました。
また、すぐ隣にはアフリカのソマリア沖から戻ってきたばかりのイージス艦が停泊、
イージス艦に搭載のミサイル発射装置は最新式のSM?3で射程がより長く、精度も一段と向上しているとのこと。
ソマリア沖を通る船は年間2万隻あり、そのうち日本船は1600隻で、その3割がタンカーとのことですが、
北はスエズ運河を通るため、ときには「飛鳥」のような客船も通過します。いわばここは欧州と日本を結ぶ航路の要であり、
そこを通る船の乗組員や旅客の安全が守られ、どれだけ安心が得られているかはかり、知れません。
はたかぜのモデルシップが山口さんよりお二人へ贈呈されました
今もって昔の伝統的な海軍用語が使われている海上自衛隊では、主機関を「もとき」、雑巾掛けを「内舷マッチ」と呼んでいるとのこと。
規律は階級で守られており、階級を意識することは海上自衛隊でも重要な話ですが、どの階級の司令が乗艦しているか他の船からも認識できるように船橋のガラス窓に最高指揮官識標を表示しているのは印象的でした。
また、艦橋内に異なった色カバーがかかった椅子が2席あり、右舷側の赤席には艦長の一等海佐、左舷側の黄席は司令官の海将補が座るとの事。色で各々の階級を示し、赤より黄が上の階級で、ちなみに赤の下は青とのことでした。
「はたかぜ」は30年以上前の建造のため、操舵輪の真上に未だテレグラフ(船内伝声管)があるのには感動いたしました「面舵一杯!」などの言葉が機関室などへ伝声管に向けて発声されてはじめて艦橋らしさを感じるのは自分だけの時代遅れの認識でしょうか。最近の船には舵輪がジョイスティックに置き換わったものもあり、船らしさを象徴するものが、技術の進歩の陰で一つ一つ消えていくのを見るのは寂しい限りです。
見学後は後部甲板にて全員の記念撮影、近くのレストランで待望の横須賀カレーを食べた後は、会員の山口氏がご自身でつくられた「はたかぜ」のプラモデルをお二人に贈呈。その後、秋山、相樂氏のご案内で付近の記念碑を見学し、さらには希望者のみ軽く喉も潤したりし、帰宅の途につきました。お二人のおかげで横須賀を満喫、楽しい一日を過ごさせていただきました。厚く御礼を申し上げたいと思います。
最後に、その記念碑のなかに真新しい私の親族正岡子規が詠んだ句碑があり、「横須賀や只帆檣(はんしょう)の冬木立」をご紹介させて頂きたいと思います。
正岡子規の句碑
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