9月例会「バイオ燃料は地球を救うか」の講演を聴いて

会員 水谷妙子


 増え続けるエネルギーの消費…地球温暖化の主な原因、大気中の二酸化炭素の濃度の上昇と地球温暖化の進行を抑え、 孫の世代にきれいな地球を残せるのでしょうか?「カーボン・ニュートラル」バイオ燃料は本当に地球に優しいのでしょうか? 飢えている人がいるのに、トウモロコシで自動車を走らせていいのでしょうか?
 食料と競合しない樹木や草からアルコールを生産する研究・開発が進んでいます。 草木の30〜50%はセルロースからできています。パルプは木からセルロースを取り出したもの。 セルロースを分解しブドウ糖にできれば、でんぷんと同じ方法でアルコールができます。 トウモロコシやサトウキビからのアルコールはもう古い。さらに、未使用バイオマス資源の利用:小さな巨人、微細藻類の研究も進められています。 微細藻類の中には石油系の物質を20〜50%含むものがあります。日本は世界でも6番目の海洋大国。 海洋バイオマス資源の利用とエネルギー生産は将来のエネルギー生産の期待を担っています。
 このように、バイオ燃料の研究・生産は進展しつつあるとはいうものの、世界の電力に占める割合はいまだ3.4%(2006年)に過ぎません。 バイオ燃料は太陽電池、風力発電、地熱発電等に続く存在にとどまっています。ともあれ、バイオ燃料を含む再生可能エネルギーの研究及び開発が、 二酸化炭素削減のために一層進展することを切望します。(ちなみに、ドイツの再生可能エネルギー政策によると、 2050年には再生可能エネルギーの割合を50%まで高めることが定められています)


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