日独交流150周年記念「日独音楽家の集い」を拝聴していろいろ思ったこと

杉浦裕



筆者杉浦氏



 先ず日独交流150周年誠におめでとうございます。
 長い歴史の中でいろいろなことがありましたが、双方の国の皆さんが素晴らしい絆を築いてこられて今日を迎えられたことは一人の日本人として大変うれしく思います。関係の皆様に心より敬意を表します。
 大学時代からの親友である、三谷君から「今度このような催しがあるよ,聴きに来ないか」との誘いを受け、喜んで参った次第です。私が予想していたよりも盛りだくさんで、素晴らしい演奏を聴かせていただき大変感謝しています。
 混声合唱団「アムゼル」の皆さんの楽しい合唱、懐かしい曲をドイツ語で聴かせていただきました。
 首藤亜希さんの「月光」は一般人にとってはポピュラーな曲なのですが、私にとっては新しい感覚でお聴きしました、静けさ、重厚、激しさ と共に人の温かさをいただきました。
 梶井竜太郎さんの明るい、喜びのこもったテノールでモーツアルト、シューマン、メイの素晴らしい曲に十分楽しませていただきました。
 ヤンケ姉妹のデュエットは 特に素晴らしかったです。女性でありながら、(良い意味での)力強さと細やかさ、さらに素晴らしいテクニックに感動しました。流石 姉妹ですね、お二人の呼吸のあった演奏にただ聞惚れてしまいました。
 特にアンコールで演奏された曲 FAE SONATA(恥ずかしいのですが曲名を知らなかったので後日三谷君に聞いた次第ですが)は情熱的で素晴らしく、後日 お二人が東北大震災に合われた皆さんへ “弔恨と励まし” の気持ちを込めて演奏されたとお聞きして大変感激しました。
 貴協会と私とのかかわりは、三谷君が社会人となり仕事の関係でドイツに留学され、帰国後貴協会に入られたのですが、ある時貴会報に彼が寄せた文の中に「会長の岩崎先生」という文字を見つけたのです、私が高校生の時にドイツ語の指導をして戴いた先生が「岩崎英二郎先生」だったので、あれっ!と思い彼に電話をしたところ、同じ「岩崎先生」と判ったのです。高校時代はクラス担任としても大変お世話をかけっぱなしでしたが、思わぬ形で、しかも大学時代の親友を通しての再会になったわけで、 “縁” という言葉を実感したのです。それから貴協会で岩崎先生が講義をされた時に、教室の片隅で60年前の様に受講させていただいたこともありました。
 日独の交流が末永く続きますよう、貴協会がますます発展され舞うようお祈り申し上げます。
 余談 ある時、高校時代の友人に「岩崎先生の講義をお聞きしたよ」と話したところ、「 “君が岩崎先生の教え子だ” ということがわかると 先生の品格に傷をつけるから黙っていろ」といわれました。高校時代の我々は大変なもので何時も先生にご迷惑をかけ続けだったのを楽しい思い出にしているのですが。
 私も仕事の関係でドイツの会社 "BASF" と技術交流をしていて、何回かドイツを訪問し技術者と一緒に過ごした経験もあり、私にとってドイツは一番の近い国なのです。音楽でも多くの作曲家、演奏者に親しんでいるので、交流150周年という歴史が大変な重みを感じさせてくれています。


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