「日独音楽家の集い」に参加して

会員 橋本周也



歌う橋本氏


 新緑まぶしい薫風の季節、古都鎌倉の鎌倉芸術館小ホールで日独交流150周年を記念するコンサート「日独音楽家の集い」が開催され、「合唱団アムゼル」の団員として参加しました。
 3月11日に起きた東日本大震災の直後は首都圏の電力事情が極度に悪化したこと、関係国ドイツから日本への出国制限もあって予定の演奏者が来演できるかどうかなどの理由で、一時は開催が危ぶまれました。また、平日の夜の演奏会ということでお客の集まり具合も心配でしたが、関係者の皆さんの熱い思いと行動力のお蔭でほぼ客席が満員となり、ここに目出度く開演の運びとなりました。
 ご来場のお客様からの私たちのステージの評は、“年齢を感じさせない若々しい艶のあるハーモニーに驚きました。素晴らしかった” “バランスのとれたハーモニーで心地よかった” “日本の歌曲もあって調和がありとてもよかった” などお褒めの言葉を沢山頂きました。
 一方でメンバーからは “本番前のひと月は毎週のように梶井智子先生の厳しい特訓に耐え、練習に励んだ成果なのだ!” “難しい曲であったが、これで歌う自信が持てた” などの感想がありました。歌が終った時に起きた満場の拍手に “えもいわれぬ達成感” を味わいましたが、団員の皆さんも恐らく同じ思いでおられるのではないでしょうか。
 次にプロの演奏家の登場で首藤亜希さんのピアノの独奏がありました。続いて梶井龍太郎先生のテノール独唱は美しいドイツ語と格調高い素晴らしいお声で、一昨年の平塚市民の第九のテノールソロを同じステージで聴かせて頂いて感動したのを思い出しました。
 そして、最後のヤンケさん姉妹の演奏はやはりクラッシックの本場ドイツから見えた本物の演奏という絶賛の一言です。多くの方から声が寄せられていますので、そのうちのいくつかをご紹介します。“ヴァイオリンとピアノが絶妙でした。特にヴァイオリンの儚(はかな)くなるまで絹糸のような繊細な音色から強い意志を感じさせる音色まで、表現力、音楽がやはり本場(本物)だと思いました” “演奏は会場の空間の空気をガラッと変えてしまうような音質で感動致しました” “美しい音色が印象に残りました。正直、このような素晴らしい演奏を聴けるとは思っていませんでした” など…。
 茲に、お運びいただいたお客様とこの演奏会の開催を支えて頂いた協会関係者およびスタッフの皆様に感謝すると共に、いつかまたこのような演奏会が持てることを期して、新しい曲にチャレンジしていきたいと思います。


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