大盛会の日独交流150周年記念
「日独音楽家の集い」


 5月9日(月)在日ドイツ連邦共和国他多くの後援をいただき、日独交流150周年記念音楽会を開催しました。ゴールデンウィーク明けの月曜日、東日本大震災発生後2ヶ月と主催者側としては気を揉むことも多くありましたが、当夜は600席の鎌倉芸術館小ホールがほぼ満席となり出演者の熱演で終演後のロビーは名残を惜しむ観客で遅くまで混雑しておりました。
 織田会長の日独交流150周年記念音楽会の意義、東日本大震災の犠牲者のご冥福と被災地の早期復興の願い、会場の募金箱へのご協力依頼の開会の挨拶がありました。続いて、ご多忙にも拘らずご来場いただいた松尾崇鎌倉市長から、お祝辞と湘南日独協会の今後の更なる活躍を期待するとのお言葉がありました。そして演奏会の開始です。



湘南日独協会混声合唱団アムゼルの演奏


 第一部の最初の演奏は、湘南日独協会混声合唱団アムゼル、梶井智子さん指揮、内海祥子さんのピアノ伴奏で新曲「モラヴィアの6つの響き」、歌いこんできた「愉しい ます変奏曲」それに湘南緑の「浜辺の歌」、被災地への思いを込めて「故郷」の演奏でした。
 「愉しい ます変奏曲」はモーツァルト風リスト風などで、良く知られたメロディーで大変面白かったと好評でした。



首藤亜希さん


 次に、ソロ、アンサンブル、後進の指導それにアマデウス合唱団の伴奏などで活躍されておられる首藤亜希さんのピアノ演奏。曲目はベートーベン作曲のピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27の2「月光」。広く知られた名曲中の名曲。首藤さんは「大震災で犠牲になられた方々のご冥福と被災された方々へのお見舞いを込めて」とメッセージをよせての心のこもった演奏でした。満席の会場は深い感動に包まれました。



梶井龍太郎さんと楠山裕子さん


 第一部の最後は、ベルリンのフンボルト大学留学後、ドイツ・メクレンブルク州立歌劇場の専属歌手として、ヨーロッパを中心に長年活躍され、帰国後もリリックテナーとしてまた大学教授としてエネルギッシュに指導されておられる、梶井龍太郎さんの独唱。伴奏の楠山裕子さんとの息のあった素晴らしい演奏でした。
 曲目は、モーツァルトの小ドイツカンタータ「限りない宇宙の創造者を崇拝する汝らは」。この曲は、自由・平等・博愛を標榜する秘密結社フリーメイソンの為にモーツァルトが作った、人間への愛を伝える感動的な作品です。次に良く知られたドイツリート、シューマンの名曲の数々。「美しき五月に」「君の瞳を見つめると」「ある若がひとりの娘に恋をして」「君の姿は美しい」「君は花のよう」。最後にメイの「歌は世界に」。「人はいつの時代にもつらいときに歌をうたって乗り越えてきました。東日本大震災で被害に遭われた方々は早く元気になってください。復興への希望を心を込めて歌います」との梶井氏のメッセージ。テノール独唱の醍醐味とリリックテノールの繊細な歌声に魅了されました。



有希・マヌエラ・ヤンケさんと歩・マノン・ヤンケさん


 第二部は有希・マヌエラ・ヤンケ(ヴァイオリン)、歩・マノン・ヤンケ(ピアノ)姉妹の演奏でした。大震災、原発事故の発生により来日が危ぶまれておりましたが、お二人の御意志も固く、記念音楽会にご出演くださいました。さらに、当日の募金へのご協力もいただき、演奏共々大きな喝采を得ました。
 プログラムを始める前に、大震災に遭い亡くなられた方々へのご冥福を祈り、シューベルトのアヴェ・マリアが演奏されました。
 プログラムの曲目はチャイコフスキー「瞑想 作品42-1」、ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ 3番二短調 作品108」です。ヤンケ姉妹はドイツ人の父と日本人の母をもつ音楽家一家に生まれ、妹の有希さんは3歳からヴァイオリンを、姉の歩さんは3歳からピアノを学び、早くから各地の国際コンクールで数々の優勝の実績を持ち、ソリストとして、また有名オーケストラとの共演をするなど、輝かしい経歴を重ねています。
 お二人の共演は実に姉妹らしい気の合った演奏で心ゆくまで音楽を楽しむことができました。鎌倉芸術館の舞台監督はヴァイオリンの音が鳴り出したとたん、「素晴らしい、最近これほどの素晴らしい音楽に出会ったことが無い!」と舞台のそでで呟いたそうです。これはアナウンスを担当しておられた、湘南日独協会の大澤由美子理事が聞いていました。
 鳴り止まぬ拍手に、アンコールが演奏されました。曲目はブラームスのF.A.E.ソナタからのスケルツォ、客席はすっかり酔いしれてしまいました。
 時間がきて名残惜しい音楽会は終了となりました。その後出演者の皆様との遅めの食事会があり、記念音楽会は盛会に終了しました。



出演者の皆様とお手伝いを頂いた皆様との集合写真


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