水と緑豊かなシュプレーヴァルト、昔ながらの平底舟(Kahn)に乗る!

真室泰子



ヴァルトブルク城の大倉、関川、真室、池田さん


 5月下旬、湘南日独協会主催の10日間の東部ドイツの旅では、通常の旅行ではなかなか行けない街や田舎を訪ねて歩き回り、また各地の独日協会員の方々との昼食会、夕食会で親しくお話しする機会を得て大変楽しく有意義な交流の旅となった。アムゼル合唱団員8人はドイツの名歌「菩提樹」「ローレライ」「野ばら」をドイツ語でご披露し、さらに「故郷」「浜辺の歌」をドイツ語と日本語で会場の皆様と一緒に歌ったことはこのうえない喜びでした。
 この旅で特に楽しかったことは、ドイツの大自然を自分の身体を活動させ身をもって味わったことです。ザクセンスイス国立公園でのハイキング、バルト海に浮かぶリューゲン島ヤスムント国立公園での軽ハイキング等、同好の皆様と共にドイツの大地を一歩一歩踏みしめ踏みしめ歩いたことは、他のどんな楽しみにも変え難い体験でした。
 さらに、ベルリンの南東に位置するブランデンブルグ州シュプレーヴァルトの森の中、シュプレー川でのカーン(Kahn、平底舟)に乗っての遊覧は素晴らしいものでした。
 ドイツの田舎で昔の人はかくもゆったりとのどかに生きていたのか…見回す辺り、陸地には森の木々(ハンノキや白樺に似た木)、水辺には葦や水草が繁茂して、これは自然の小川なのか、昔物資を運んだクリークとして作られたのか、その両方か、両岸は自然のままに水草で覆われていて、コンクリートの護岸壁などはいっさいない。このような小川や水路網が縦横に走り、200ヶ所、1300キロにもおよぶと聞く。
 出発地の岸から乗り込むときにはその土地の娘さんが民族衣装を着て出迎えてくれて一緒にパチリと記念写真におさまった。昔お祭りのときはこのような衣装で村人たちが賑やかに集まり楽しんできたのであろう。その日は雨模様でもあり、私たち20数人以外に他の観光客が沢山いるわけでもない、静かな水辺であった。船頭さんが一本の長い櫂で漕ぎだした。船べりから手を伸ばせば川の水に手を浸すこともできる。
 100年前のシュプレーヴァルトのお祭りから抜け出してきた娘さん二人と、その時代にワープしたようなひと時であった。




リューゲン島ビンツの思い出

池田純江


 北ドイツの海沿いのリゾートとバルト海!
 とても遠い所とおもっていましたが、今私達はリューゲン島、森と白い岩肌と何キロも続く美しい海岸線を持つリゾートとして人気のオストゼーバード(通称ビンツ)に到着!
 私達は魚介のおいしいサンドウイッチが目的で楽しみにしていました。生憎の小雨模様の海岸線を小走りで(滞在時間が少なかったので)町に向かった。
 明るく白い美しいホテルやみやげ物点などが並び人々でにぎわう町の熱気あふれる軽食スタンドを見つけ(ここはガラスケースの氷の上に並べられた、カキ、ニシン、ウナギ、エビetcが見事なステキな店でした。私達はHelling(にしん)トマト、レタス、玉ねぎなどをたっぷり挟んだ魚サンドとジャガイモのズッペを求め、店内のムード溢れる大きなテーブルに着き、海辺の楽しい食事のひとときを過ごしました。これはホワイトアスパラと共においしい思い出の1つになりました。
 再び訪れてゆっくり楽しみたい町のひとこまでした。




バルト海沿岸の町

関川 由美子


 バード・ドーベランからキュールングスボルンまで37km間を「モリー鉄道」という小さな蒸気機関車に乗りました。最初は街町みの中をゆっくりと走り、町を抜けるとスピードを上げ緑の森、黄色い菜の花畑etc…、あいにく天候は雨でしたが、マイナスイオンを感じながら美しい景色をかけ抜けました。
 時折汽笛の音や車窓が蒸気で見えなくなったりと懐かしい40分間の鉄道の旅を楽しみました。モリー鉄道は何度かテレビで見ていたので覚えていた景色が目の前で手に取るように見られ感激しました!!
 キュールングスボルンは名前の通りkuhl(冷たい)な風の吹く淋しい所だと想像していました。しかし実際はドイツ人の夏のリゾート地でとても美しく洗練された町並みで驚きました。建物は白を基調としていて統一感がありドイツの他の町とは雰囲気が異なっていました。ホテルの隣は市庁舎でしたが、「Rathaus」と書いてなければわからない、かわいらしい白い建物でした。市庁舎の後ろには幼稚園があり日本では考えられない配置ですが、各々庭の花もきれいに手入れされていて本当に美しい町並みでした。
 バルト海沿岸全般に言えることですが、吹く風は磯の香りが無く乾いていて海岸にいることを忘れる心地の良いものでした。(季節や潮の関係もあるかもしれませんが…)海岸はシュトラントコルプ(藤製のビーチチェア)が美しく並びいかにもリゾート地という趣でした。
 夕食のレストラン「ヴィルヘルムス」のホロホロ鳥はとっても美味でした!!ビールも最高!!夕食後はホテルまでアムゼルの人達と歌いながら海岸を歩きました。ビールも入った勢いでまるでバルト海を舞台にしているような錯覚で気持ち良く歌いました。
 元々私はバルト海地域は暗く閑散としたイメージを持っていましたが美しくハイセンスなこの地にまたいつかゆっくりと避暑で滞在したいと思っています。




ベルリンフィルを聴く

大倉薫


 今回の旅行での楽しみのひとつはベルリンフィルを聴くことが出来ることでした。時々、テレビではお目にかかるブロムシュテット氏指揮によるベートーベン4番。ただ「臨場感があった」と言ってしまうには余りにも軽く、「最前列のこの場所で」「呼吸がわかるこの距離で」鑑賞出来たことは感激でした。
 翌日、ベルリン独日協会との夕食会の折りに、ブロムシュテット氏引退のお話を伺いました。これら引退公演全ての日に花束を贈っていたとは思えないのですが、ひょっとして私達が聴いたのは千秋楽だったのでしょうか?もしそうだとしたら、その日に遭遇したことも貴重な思い出です。チケットを手配下さった織田会長さんや独日協会の方に心より感謝です。
 今回の旅行では、会長さんはじめたくさんのドイツ生活経験者がおられ、時に触れ、いろんなお話を伺う事が出来ました。また普通の観光では訪れないような場所の見学もさせていただいて本当に有意義でしあわせでした。


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