SWZの活動


活動記録

2022/07/21 の一言報告
"Müde kehrt ein Wandersmann zurück"

Müde kehrt ein Wandersmann zurück, nach der Heimat, nach der Liebe Glück.
Doch zuvor tritt er ins Gärtnerhaus, und kauft für sie noch einen Blumenstrauss.

何年もの旅から故郷にやっと帰りついた旅人。将来を誓い合った愛しい恋人に会う前に、
通りがかりの花屋に入り、花束を求める。求めに応じ花壇から花を摘み始めた花屋の美しい
女主人の頬には何故か涙が。何と彼女は…
と筋書は単純ながら、ドラマチックな展開と、哀調を帯びた美しいメロディーは女性の心を揺さぶり、
涙を誘ったようです。19世紀の典型的なKüchenlied。


2022/06/18 の一言報告
"An der Saale hellem Strande"

An der Saale hellem Strande stehen Burgen stolz und kühn,
ihre Dächer sind zerfallen, und der Wind streicht durch die Hallen,
Wolken ziehen drüber hin.

1826年、Franz Kuglerが弱冠18歳の時、Saale川の辺、Rudelsburgに旅した時に作った詩。
朽ち果てた城の天井も落ち、風が吹き抜ける広間跡に立ち、流れる雲に往時を思う。
風の音に槍や盾の音を聞き、苔むした壁の辺りに騎士の姿を見る。
滝廉太郎の“荒城の月”を思わせるロマンチックな曲です。

2022/05/26 の一言報告
"Wer recht in Freuden wandern will"
19C早期、Lübeckの詩人Emanuel Geibel作。Gustav Klauer作曲。

静かな小川の流れを聞きながら夜明け前の山に登り、明けの明星を見る。 Nachtigallの声と共に急に鳥たちの鳴き声が立ち昇り、遠方の頂きは次第に赤味を増しMorgenrotとなる。

こんな山歩きの喜びを自然や神への畏敬と感謝を込めて、 少年たちが溌溂とした声で歌うこの曲には、Wanderungの喜びだけでなく、 ドイツ人らしい宗教的な敬虔さがしみじみ感じられるすばらしい歌です。 その歌詞にはパウロの「ローマの信徒への手紙」の一節も言及されているようです。是非一度歌ってみて下さい。

2022/04/21の一言報告
"Muss i denn, muss i denn"
気候も穏やかになり、知らない土地への旅に心誘われる季節になりましたが、 旅と言ってもこの曲はドイツの徒弟職人が恋人と別れて修行の旅に出るという別離の歌です。 親方の下を離れ、他の地方の親方について、一定期間修行する事が義務付けられていたこの制度は、 近世初めまであったようです。

第二次世界大戦後、この歌の誕生の地SchwabenにGIとして駐留勤務していた pop-star, Elvis PresleyがChanson風に歌って大ヒットしたのですが、 実は本人にその認識はなかったのですが、彼の先祖はこの地方出身のドイツ移民だったのです。 といった話を頭にいれて歌にチャレンジ。メロディーは誰でも知っている曲ですが、 歌詞がSchwäbischer Dialektである為、中々スムーズに歌えない。 いや、この曲は寧ろ日本語(カタカナ)で歌った方が易しいかも。

2022/03の一言報告
北海道より北に位置するドイツでは、春は昔から5月初めからと感じられているようで、 5月1日には春祭り(Maifest)が各地で行われます。一方日本の5月は地方によりますが、 もう初夏ですので、春の歌は3月例会で取り上げる事にしました。

選んだ4曲中、"Der Winter ist vergangen"は、オランダ起源のようですが、 16Cの手書き彩色の中世詩歌集に載っており、中世からMinnesängerによって歌い継がれてきた歌のようです。 冬の厳しさから解放される春の喜びを表す麗らかな陽光・田園風景が伝わってくる曲ですが、 同時に当時の風習(*)に由来する愛の歌・別れの歌でもあるようです。
 *Liebhaber は森でMaibaumを刈り、恋人の家の窓に立てかけ、愛を告白する

こういう古い歌は昔の風習を知らずに理解するのは難しいですが、 人々の春を迎える喜びに寄り添った歌であったからこそ、 現代まで生き残ってきたのでしょう。 参加者の皆さんには、ドイツの昔の春の雰囲気を僅かですが味わってもらえたものと思います。

2022/02の一言報告
2月開催日2/28(月)は何とRosenmontag! 迷わずテーマはKarnevalとしました。 取り上げた曲はどれも明るい楽しい歌ばかり。この内の、Köln-Karnevalの定番、"Der treue Husar"の元になっていたのは、 "Die gute Sieben"という物語詩ですが、その粗筋は;
  愛する恋人から離れ、旅に出た若者(bzw 軍に招集され軽騎兵となった若者)が、恋人が病を得て
  死の床についているとの知らせを受け、彼女のもとに戻ったが、一言二言、言葉を交わしただけで、
  彼女は彼の腕に抱かれ亡くなるという悲恋物語。
この最後の場面で、昔の人たちは涙を堪えきれなかったのでしょう。 しかし、こんな悲しい物語からどうしてあんな底抜けに明るいメロディーが生まれるのか、ドイツは美しくも不思議な国。

活動記録

日付

取り上げた歌

2022.1.20(木)

@Sehnsucht nach dem Frühling AEs waren zwei Königskinder
BPatrona Bavariae CHerz-Schmerz Polka

2022.2.28(月)

@Freut euch des Lebens ADer treue Husar
BMein Herz, das ist ein Bienenhaus CKornblumenblau
DRheinische Lieder E O, du wunderschöner deutscher Rhein

2022.3.29(火)

@Der Winter ist vergangen ADer Mai ist gekommen
BNun will der Lenz uns grüssen CDas zerbrochene Ringlein

2022.4.21(木)

@Muss i denn, muss i denn, ADie Forelle
BDas Rennsteiglied CBozner Bergsteiglied

2022.5.26(木)

@Im Frühtau zu Berge AFrankenlied
BWer recht in Freuden wandern will CTreue Bergvagabunden

2022.6.18(土)

@An der Saale hellem Strande AStehn zwei Stern am hohen Himmel BDas Wandern ist des Mullers Lust
CDas Edelweiss vom Wendelstein

2022.7.21(木)

@Müde kehrt ein Wandersmann zurück ARauschende Birken
BNun ade, du mein lieb Heimatland CHohe Tannen

                                 (2022/07/25 更新)

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