来湘Weimarご一行

鎌倉・江ノ島での日々

会員 荘林麻美子



江島神社の参拝を終え、本殿前で相原宮司や巫女さんを交えて記念のショット



 この度、湘南日独協会の創立10周年記念に際して来日したワイマール独日協会の皆様の、 鎌倉・江ノ島見学(10月17〜18日)に同行させていただきました。 2日間とも秋晴れのすばらしい好天に恵まれ、円覚寺での参禅、高徳院でのお茶席、江ノ島神社の相原宮司訪問が盛り込まれた、 体験型のプログラム構成でした。
 1日目の鎌倉見学は、藤沢のホテルをバスで出発し光り輝く海を眺めながら早朝の報国寺に到着。 朝の光に包まれた竹の庭を堪能しました。次の目的地円覚寺へ向かう車中、旅行参加者の中にドイツ人の禅マイスターのもとで 既に座禅歴8年という方もいらしたので、ドイツ人の視点から禅のお話もしていただきました。 そのドイツ人禅マイスターは鎌倉で修行されたそうです。他の方にとっては禅は初めての経験、基本的な姿勢や呼吸法の説明をうけ、 15分間の座禅を2度行いました。お坊様からは禅修行の意味について次のようにお話がありました: 「無心になること」、さらに言葉を変えて「今していることに集中してその他一切の雑念を追い払うこと」、 そして「禅の修行は実は特別なことではなく、日常生活で実践していただくことなのです」。
 さて、座禅した皆さんの感想は?円覚寺での1時間を「体感」できたことをとても喜ばれたようです。 銭洗弁天見学、華正楼での昼食、そして高徳院での大仏見学とお茶席が続きました。お茶席では温かいおもてなしをうけ、 生け花、軸物、お菓子、器、建築、お庭、歴史、「わび」「さび」の心から日本人の季節感まで様々なお話があり、 奥の深いお茶の世界に触れて「静かな、印象深い一時を過ごした」との感想を聞きました。 「お茶のマイスターになるには何年かかるのですか」との質問への、「私のお師匠さまは80歳になりますが、 まだまだだと言われます」との返答には皆さん深く聞き入っていた様子でした。
 2日目の朝は江ノ島へ出発。江島神社参拝、巫女舞の奉納、弁天堂見学の後、展望塔に登り、 午後は希望者は岩屋も見学しました。相原宮司は神社の歴史などのお話の後、質疑応答の時間を設けてくださいました。 はじめはなかなか質問も出なかったのですが、「皆さんはキリスト教圏の方々ですよね」との宮司の問いかけを機に、 湧き出るようにたくさんの質問が出てきたのです。その中心は「日本では異なる宗教が平和に共存しているのですか?」 との問いでした。仏教と神道の共存とそこからくる日本人の宗教観は、キリスト教の国々から見ると不思議なようです。 私達にはなじみの深い七福神はインド、中国、日本の神様が「宝」の船に乗って描かれています。 この「宝」は平和という宝物、つまり異なる宗教の神々が共に平和の船に乗っているのです。
 このお話をして下さったのは、今回のツアーの下見でご一緒した吉田事務局長です。 樋口由美子さんが用意して下さった七福神めぐりの用紙と、立ち並ぶ土産物店のあちらこちらにある七福神の人形を見ながら、 江の島での道中皆さんに世界平和のシンボルといえる七福神の話をしました。 江島神社からのお土産は嬉しいことに七福神の日本手拭いでしたし、ワイマールの皆さんの心に七福神のメッセージが 生き続けていくことを願っています。2日間訪問した先々で温かく迎えてくださった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。


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