思い出のニューヨーク

会員 佐合千佳子


 久し振りに江ノ電に乗り、懐かしい湘南の海を眺めながら…。
 あの4年間は夢だったのかな〜と、つい先日まで住んでいたのに遠い思い出になりつつあるニューヨークを思い返していた。
 摩天楼に囲まれたニューヨークは活気があり、とても刺激的な街である。「ニューヨークは人種の坩堝」と云われているが、正にその通り。行き交う人々の肌の色、髪の色もさまざまである。街中で耳にする言葉も、英語ばかりでなく、スペイン語、フランス語、ロシア語、中国語、韓国語等々…様々な国の言葉が飛び交っている。
 ニューヨークはせっかちなのか歩くスピードが速く、交差点では歩行者用の信号がたとえ赤であっても平気で渡ってしまう。車(タクシー)の運転の荒い人が多く、クラクションやサイレンの音が始終鳴り響き、地下鉄は24時間(夜中も)走っていて、眠らない街マンハッタン。
 世界経済の首都ニューヨークには、その莫大なる富みを象徴するように数多くの美術館・博物館・コンサートホール・劇場が点在する。
 そんなNYの街に慣れてきて、「私もひょっとしてニューヨーカー?」と思い始めていた頃、あるアメリカ人に言われた。「NYを知っても本当のアメリカを知ったことにはならないよ」と。アメリカの国土はとてつもなく広い。
 滞在中にヨセミテ、イエローストーン、グランドキャニオン等の国立公園を訪れたが、その地平線まで続く自然のスケールの大きさに圧倒される。何万年、何億年も前から続く地球の歴史があって、今の地球がある事、モニュメントバレーやアンテロープキャニオンも、とても興味深い地形である。こんなにも面白く不思議な地形がどうやってできたのかな…と、その神秘的な大自然を目のあたりにして、暫し感慨に浸ってしまった。
 あっ、もう由比ヶ浜。NYで食べたステーキとワインも美味しかったが、やはり日本に帰ってきて嬉しいのは和食が美味しい事。さあ、きょうの夕食は美味しいお寿司と焼き魚と冷酒にしようかな…。


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